シルクロード旅日記 ㉜フンザの里の村人たち~アルティット編~

カリマバード3日目は、ほとんど何もせず。

4日目は、カリマバードに来てはじめての快晴。張り切ってバルチット城(バルチットフォート)の見学に。

Hunza Baltit (img 1)” by Nimi Hashmi is licensed under CC BY-SA 4.0

バルチット城

お城に近づくにつれ急坂で苦しい。周囲にはさすがに古い家が多く中世の雰囲気が漂っていた。

城の入口はとても狭く、いきなり階段。すぐ横は牢屋で、その昔、罪人を蹴落としたという。

どの部屋も薄暗くて天井も低く、これが王様の家なの?と思うぐらい。

優雅な生活というよりも、敵との戦いが日常だったのだろう。

ただ、3階だけはゆったりと明るく、フランスから取り寄せたという色ガラスの窓がきれいだった。

Window of Color in music Room of Baltit Fort” by Fdoshazia is licensed under CC BY-SA 3.0

そして外の眺めは最高!

Baltit fort 3(amanasad83)” by Amanasad83 is licensed under CC BY-SA 4.0

村々が手に取るように一望でき、向こうにはラカポシ山(7788m)。

これぞ王様のための景色だと思った。

フンザの美人3姉妹

午後、カリマバードの郵便局へ行った帰り道、すぐ横のジャガイモ畑で作業をしていた女の子に声をかけられた。

「家にくる?」と誘われて、ずうずうしくついていく。

家には3姉妹がいた。

長女は色白ふっくら美人のネクバーノ、次女は知的でしっかり者のタジマハール(彼女が声をかけてくれた)、三女はキュートでおませなシェキラバーノ。年齢は10代半ばからハタチぐらい。

通してもらった居間には、カーペットと横長の座布団が敷かれていて居心地がよい。

突然の珍客をミルクティとビスケットでもてなしてくれた。

アルバムを出してきて家族写真を見せてくれたが、遠くの街へ遊びに行った写真には彼女たちの男兄弟ばかりが写っている。

やっぱり男の子が優先されるのかとちょっと寂しい気がした。

結婚相手は親が決めるそうで、ネクバーノはあと2か月で遠い所へお嫁にいくのだと教えてくれた。

「妹たちと別れるの、さみしいでしょう?」と尋ねると、「ぜーんぜん!」と返事が返ってきて、みんなで大笑い。

「明日も遊びにおいでよ! チェリーを用意しておくから」と言ってもらい、また来る約束をした。

アルティット村

午後からは、カリマバードの隣村、アルティットへと行ってみる。

アルティットではちょうど37地区対抗クリケット大会があるらしく、カリマバードの男の子たちも向かってゆく。

40分ぐらい歩きクリケットグラウンドの近くで、小さな男の子に手招きされて民家に誘われた。

家に入ってみると、中年夫婦と、娘、男の子の家族で、ちょうどチャパティを焼いているところだった。(もう3時だったけど、それぐらいがランチの時間だそう)

大粒で甘~いさくらんぼを出してくれて、しばらくおしゃべり。

そのうちにチャパティが焼きあがって、「お昼も食べていきなよ」とカレー風味の菜っ葉炒めといっしょにごちそうになってしまった。

写真を送るねと約束して、 お礼を言っておいとま。

またアルティット散策を続ける。

アルティットは村の中心に小さい商店がポツポツあるだけ。

観光客向けの店が立ち並ぶカリマバードと比べたら驚くほどの田舎村だ。

‘By @ibneAzhar’-Altit Fort-Hunza-GB-Pakistan -(2)” by Ibnazhar is licensed under CC BY-SA 3.0

アルティット城近くの古い路地をさまよっていると、また別の男の子に話しかけられた。

おしゃべりしていると、どんどん近所の子供たちも集まってきた。

「名前は?」とか、 「君たち兄弟?」 とか他愛のない会話だけど、みんな好奇心いっぱいでいろいろ質問してくれる。

男の子が「ぼくはイスラム教だからいらないけど、キミは仏教徒だからこれをあげるよ」と、埃にまみれた小さなブッダをくれた。

遠慮してみたけど、男の子のお姉ちゃんが「あなたがもらってくれたら弟はうれしいのよ」と言うので、ありがたくいただいた。

それからまた別のおうちでミルクティと手作りパンをごちそうに。

こちらの子供たちも、将来はお医者さんになりたいんだ、と夢いっぱい、キラキラの表情で話してくれてとてもかわいい。

この村の人たちは、見ず知らずの旅行者にどうしてこんなにオープンに親切にしてくれるんだろう?

次から次へと世話をやいてもらって、魔法の国にまぎれこんでしまったみたい。

ただ、アルティットからの帰り道、通りがかりの大人の女性がいきなり「何かギフトをちょうだい!」と手を差し出してきてびっくり。魔法はとけてしまったのだった。

広告
広告大
広告大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする