グルミットは、パスー氷河やカテドラルピークに囲まれた、風光明媚な村。
一日、周囲をのんびり散策することにした。

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グルミット
午前中、同じ宿のカナダ人カップルに誘われて、村祭りを見に行く。
でも、英語で You are the honorable guest(あなたは名誉あるゲストです)の垂れ幕があるというのに、「これは宗教イベントだから外国人は入っちゃダメ」と断られてしまった。
カナダ人が納得いかずに交渉していると、祭りのオープニングバンドがやってきた。
びっくりなことに、バグパイプとドラムのバンドだった。おそろいの赤と青のタータンチェックのユニフォーム。
「宗教イベント」って言っていたのに、イギリスの影響がすごく残っているんだな~と不思議な気がした。
昼間には、宿でバケツシャワーを浴びてすっきり。
川の流れる音、鳥の声、太陽の光が降り注ぎ、グルミットはとっても平和な村。

ローカルガイドその1
夕方、村を散歩。
国際電話をかけに電話局へ行ったり、商店で買い物したり。
商店で話しかけてきた人がいて、「これからグルミットの民家を案内してあげよう」というのでついていくことに。
30ぐらいの男性で、名前はイサ。村唯一の銀行に勤めているらしい。
小さい村だけあって、通りですれ違う人全員が知り合い。「また観光客を拾って!」とでも言われているんだろう。途中で甥っ子もついてきた。
おうちは小さくて薄暗いけど、万華鏡のような形の木組み細工の天窓が印象的。
この辺りで話されている「ワヒ語」を色々とおしえてくれた。
イサのお母さんは50過ぎだというのに、しわがたくさんあってもっとお年のようにみえた。お母さんのきれいな刺繍の円形帽が、タシュクルガンとつながっていることを感じさせてくれた。
ローカルガイドその2
次の日、午前中はまたグルミットの村や氷河への道を散策。
村が見下ろせる場所まで歩いていると、アズハルとかいう17歳の男の子に話かけられた。

カーペット工場へ連れていってあげるよ、というのでついていく。
工場はとても薄暗い建物。
中では女性が、カーペットの土台の縦糸に、毛を1本ずつ巻き付けては切るという作業をしていた。根気がいる大変な仕事だ。
それから宿に戻りかけるが、この17歳はとても不愉快な質問をしてくる。
「そんな話したくないから!」と怒る私。
しばらくして「さっきは悪かったよ・・」と謝ってきた。まったく!
しかも、宿の手前で「ガイド代を・・・」と言ってきた。誰が払うもんか!!
カリマバードへ
宿をチェックアウトし、今回の旅でとても楽しみにしているカリマバードへと向かうことに。
カリマバードは、桃源郷フンザ地方の中心部としてとっても有名な場所。
カラコルムハイウェイ沿いの商店の前でバスを待つが、1時間たってもやってこない。

商店のおじさんが見かねて、やってきたワゴン車を止めて、私をカリマバードまで乗せて行ってくれるように頼んでくれた。
ワゴンに乗り込んでホッとしたのもつかの間、運転手がまたスケベオヤジだった!
「君も結婚していて僕も結婚してるから、こんな話でもいいだろ?」と嫌な話をしかけてくる。
私が怒ると、しばらくして「さっきは悪かったよ・・・」と謝ってきた。
(オイオイ、さっきの17歳とやっていること一緒だよ!!)
スケベオヤジとバトルしながらも、車窓から見えるのは、豪快な岩肌が迫るダイナミックな風景。

カリマバードに近づくと、谷の斜面いっぱいに畑、民家、ポプラの木々が広がっていた。
立体的でドラマチックな地形に、目にも鮮やかな緑の村々。
こんな景色見たことがない! 想像を超えた桃源郷が、そこには広がっていた。