ファイユームオアシスを一日満喫したあとは、夜行寝台列車でアスワンへの移動です。
厳密にはカイロ駅(ラムセス駅)ではなく、ギザ駅から乗り込みました。
前評判
旅行前に知り合いのエジプト人に「夜行列車でアスワンまで行く計画なのよ」というと「オーマイゴッド!それはおすすめできないわ。飛行機にした方が絶対にいいわよ。うるさいし汚いし寝られないと思うわ」と言われてしまいました。
それでも夜行列車に乗ってみたかったので、期待値ゼロからのスタートです。
ギザ駅
列車のチケットはカイロからアスワンまでを予約していたのですが、カイロ駅よりもギザ駅の方が混雑していなくていいと聞いたので、ギザから列車に乗り込むことにしました。
私たちの列車番号は1086番。ギザ駅夜8時ちょうど発の列車でした。
余裕を持って1時間ほど前に駅に到着しました。
荷物検査を通り抜けるとすぐにホームがあり、すでにかなりの人が列車を待っていました。スーツケースを持っている人もたくさん。
目の前にいた駅員らしき人に列車番号と客車番号を見せて、どこに行けばいいかと尋ねると、「ホームはここ。客車(私たちは2番目の車両)はホームの左手の方」と教えてくれました。
VIP待合室
それから「ついて来なさい」と言われ、VIP用待合室のような場所に案内されました。
上の写真の真ん中の扉を入った場所で、First Class Lounge と看板が出ています。名前だけはとっても素敵♡
外国人はローカルと比べてとても高い料金を払っているので、ちょっと優遇されているようです。
中にはベンチが並んでいて、奥には専用のトイレもあって(まぁギリギリOKのレベルでしたが)、外よりも落ち着いて座っていられました。
入口には係りのおばさんがいて、8時前になると「そろそろ列車がやってくるよ」と教えてくれました。
最後にチップをねだられましたが、1時間お世話になったので良しとしましょう。
列車到着
列車は予定時間よりも少し早く到着しました。
先頭車両はなかなかきれいでしたが、客車は想像通り古びています。
客車係の男性がチケットを確認して、中に案内してくれました。
私たちは5人なので、部屋は3つ。一つの部屋はシングル使用なので通常の1人料金(US$90)よりさらに高く、US$135もしました。
客室係
各客車には、それぞれ専任の客室係がいました。
私たちの担当はモハマドさん。日本語も少し話せて愛嬌があるいい人でした。ベストがダンディー。
列車がホームを出るとすぐに部屋にやってきて「もうすぐ夕食をお持ちします。それからベッドメイキングをします。明日の朝はアスワン到着の1時間前に朝食をお持ちします」と、今後の予定を教えてくれました。
寝台個室
部屋はこんな感じ。下のベッドははじめ座席になっています。
座席の向かいには洗面台。タオルと石鹸が備え付けられていました。
チョロチョロとですが水が出て、顔を洗ったり歯を磨いたりできました。
洗面台の上部にはコンセントもありましたが、私たちの部屋のは壊れていて使えませんでした。
こちらは入口すぐ横のコントロールパネル。上の赤いつまみは部屋の電気で、好きな時間に消灯することができます。エアコンも調節できるようですが、つまみがありません。
食後には下の座席もベッドにしてくれました。シーツや毛布はそれなりに清潔で、気持ちよく横になれました。
二段目に枕が二つあるので、下の段の人は上からひとつもらうのを忘れずに。私は「枕がないなぁ」と思って洋服を枕にして寝たら、上のサブローが2つ使っていました(笑)
列車はしょっちゅう警笛を鳴らすので、耳栓は必須です。
私は耳栓のおかげで問題なかったですが、夫はそれでも音が気になって眠りが浅かったそうです。
電車の揺れもそこそこありました。観光でクタクタになってから乗り込むと、良く寝られると思います!
食事
夕飯はすっかり写真を撮り忘れてしまったのですが、他の方々のブログで見る通り、お肉やご飯など、ほぼ茶色のものだけ。飛行機の機内食のレベルを3段階ぐらい落とした感じでした。
朝食はこの通りパンだらけ!
ピザパン、ハムの挟まったクロワッサン、食パン2枚(すでにひび割れてる)、カップケーキとマンゴージュース。コーヒーか紅茶も希望を聞いてもってきてくれました。
パンは全然食べきれなかったので、このあとアブシンベル神殿へ行くときのランチ用に持っていくことにしました。クロワッサンは意外とおいしかったようです。
そのほかの設備
とはいってもトイレぐらいのものですが、一つの車両に2か所ありました。
ペダルを踏むと線路にそのまま直行のボットンタイプ。紙はゴミ箱に捨てたほうがよさそうです。トイレットペーパーはちゃんと備え付けられていて、トイレの中に手洗いもついていました。
トイレのレベルも、まぁまぁOK。でも当然男女共用なので、除菌シートを持っていてよかったです。
アスワン到着
早朝6時ごろ、外があわただしいなと思ったら、ルクソールに到着したところでした。
それから朝食を食べ、車窓からナイル川を眺めて過ごしました。
窓のきれいさも部屋によって全然違い、隣の子供たちの部屋の窓は汚れていてほとんど景色が見られませんでした。こればかりは運ですね。
外はカイロよりもずいぶん空気がきれいそう。
朝8時半ごろ、アスワンに到着しました。
夜行寝台列車の感想
エジプト人から思いっきり「お勧めしない」と言われてしまった寝台列車。
確かに料金は高くて、1人1万5千円?と思うと、その価値はないかもしれません。設備はかなりガタがきています。
でも私としては、やっぱり夜行寝台にしてよかったと思いました。客室係は親切だったし、ベッドの寝心地も良くて、それなりに気持ちよく過ごすことができました。夜行寝台はなかなか乗る機会がないので、家族で乗れたのもよかったです。
飛行機での移動を選んだ場合、空港に行く手間もあるし、遅延のリスクもあるし。それに夜行だとホテル代は節約できるので、トータルのコストはそんなに変わらないのでは、と思います。
というわけで、期待しないで乗ったのでなかなか良かった、というのが私の感想です!
このあとアスワンではアブシンベル大神殿や切りかけのオベリスクを観光しました↓