フンザ地方の中心地、カリマバードは斜面いっぱいに民家や畑が広がっていて、グルミットと比べると巨大な村だ。
この辺りは1974年まで藩王によって治められており、カリマバードはその王都だったらしい。
カリマバード初日
初日はKゲストハウスという日本人宿にチェックイン。
ドミトリーで1泊50ルピー(100円)。
同室の女の子は現地語がペラペラで、今回も3か月滞在するというつわものだった。
夕方、メインストリート(といっても未舗装の道)を散歩。
通りの両脇には土産物屋、カフェやゲストハウスが立ちならんでいる。さすが人気観光地。
ただし雰囲気はの~んびり、ゆる~い感じ。にぎわっているのはほんの少しの区間だけだ。
村全体が傾斜地に作られているので、曲がりくねった通りを一歩進むごとに、ダイナミックな景色が広がってゆく。
見上げるような場所にバルティットフォートというお城が見え、そのすぐ裏には垂直にウルタル山(7388m)がそびえていた。
Kゲストハウスでは夕飯代80ルピー(160円)を払うと、家庭料理のフルコースを食べさせてくれる。
大したレストランのないカリマバードではありがたい仕組みだ。
今日のメニューはチキンとポテトのカレー、スナップえんどうの卵とじ、キュウリと玉ねぎのピリ辛サラダ、みそ汁、ごはん、プリンにさくらんぼ。
バラエティに富んだ夕飯でおいしかった。
カリマバード2日目
翌日、ブルームーンゲストハウスという宿に移った。
Kゲストハウスはあまり居心地よくなかったのだ。ベッドの毛布もちょっと虫の心配がありそうだったし。
ブルームーンは1泊250ルピー(500円)と昨日の5倍だけど、個室だしバルコニーからの眺めも最高!
同じ宿のMさんという日本人女性とも仲良くなった。
彼女は、数か月間仲居の仕事で稼いでは長期の旅に出るという、バイタリティ溢れるひと。
この後もいろいろといっしょに行動したり、お世話になることに。
昼ごろメインストリートを歩いていると、クンジュラブ峠越えのバスで一緒だったオランダ人サイクリストのおじさんとバッタリ出会った。
せっかくなのでカフェでおしゃべり。
おじさんは55歳。10代の息子がふたりいるが、今回は一人での自転車旅。
奥さんと交代で、各自好きな場所に旅行に行くのだそう。
オランダでは30日の有給休暇があるんだって。うらやましい!
家族や子供がいても、自分の好きなことにおもいっきり時間を使うスタイルがすごく新鮮だった。
おじさんと別れた後は、民族衣装シャルワールカミーズを買いにいった。
シャルワールカミーズというのは、チュニックとゆったりしたズボン、スカーフがセットになったもの。
既製品は売っておらず、布地屋さんで山のように積んである反物の中から好みのものを選ぶ。それからおじいちゃんテーラーに行き仕立てを頼んだ。
生まれて初めてのオーダーメイドが1200円でできてしまった。
夕飯はまたもやKゲストハウスで。
トマトと豆とポテトのカレー、お好み焼き、卵とトマトのスープ、スパゲティサラダ、ごはん、カスタードクリームのデザート。
品数が多くてうれしいけど、宿泊者同士の会話ははずまず。なぜだかムッツリしている人が多いのだ。
しかも食後にはアヤシゲなタバコが回されていて、すごく気分の悪くなるにおい。不愛想な人が多いのは、これだけが目的だからかもしれないな。
もうこのゲストハウスにはこないでおこうと決めたのだった。