炳霊寺から戻ってきた日の夜、夜行列車で蘭州から嘉峪関まで向かった。
駅では、列車ごとに別れている待合室でしばらく待機。アナウンスがあり、皆がいっせいに改札口に殺到する。ワンテンポ遅れて私も改札を通りホームへ。
初の寝台列車
長い長い夜行列車がホームへ滑り込んできた。
列車に乗り込むと、ずらりと寝台が並んでいる。
軟臥(一等)と硬臥(二等)があるが、私は硬臥を買っていた。
悪名高い中国の列車。母親が小さな子のトイレを他の乗客のすぐ横でさせるとか・・。どんな様子なのかちょっとドキドキしていたが、ズラリと並ぶ3段ベッドは意外と清潔。
トイレも日本の新幹線のをワンランクぐらい落としたかんじ。
周りはおじさんばかりだったので、仲間に加われそうにもなく早々に眠りについた。
寝台は硬臥だからといって本当に硬いわけではなく、程よいクッションで寝心地よかった。
朝、目が覚めると、窓の外には乾燥した赤茶色の山並みが広がっていた。
そうこうしているうちに嘉峪関駅に到着。
さいはての嘉峪関
嘉峪関は、万里の長城の西の果てがある街。
雄関賓館という宿に落ち着き、さっそく観光に出かけることに。
女性運転手のタクシーを発見し、チャーターの交渉をする。半日で120元(約1800円)。安いのか高いのかは不明だけど、男の運転手と二人きりになるよりはいいかと思い、お願いすることに。
まず、急な山の斜面を這う万里の長城が、山を登る龍のように見えるという「懸壁長城」へ。
でも暑いのなんのって、炎天下のなか日影のない長城の上を歩いているのは私しかいない。まぁ人っ子ひとりいないところが、より強く西の果てを感じさせてくれるけど・・。
山の上へ向かったものの途中で挫折。 次へ行こう、次!
そして、とても楽しみにしていた嘉峪関へ。
映画「敦煌」で出てきたような、優美な楼閣をこの目で一度見てみたいと思っていたのだ。
遠くに楼閣のシルエットが現れると、やっぱり美しい!!
真っ直ぐシャープな城壁に、曲線を描いた中国屋根の組み合わせがいいかんじ。
関所の中に迷い込み四方を城壁に囲まれると、周りには現代的なものは何も見えずタイムトリップした気分に。
城壁の上からは、遠くに雪をかぶった祁連山脈、手前には長城の西の端が途切れるあたりを見渡すことができた。一人で感慨にふけるのにはぴったりの場所かも。
ただ、その帰り、タクシーの運ちゃんと待ち合わせした駐車場になかなかたどり着けなくてアセッたけど・・。
~つづく~