今日はいよいよカシュガルへ。朝6時すぎの長距離列車に乗り込んだ。
初めての硬座(二等客席)。
確かにシートは硬くてすわり心地はイマイチだけど、想像していたよりずっと清潔だし、クーラーも効いていて快適だ。
クチャ➝カシュガル
カシュガルまでは8時間半ほどかかる長旅なので、眠ったり、近くのおじさんたちとおしゃべりして暇をまぎらわせる。
アクスのあたりで7000メートル級の天山山脈が姿を現した。
手前にはポプラ並木、はるか向こうに白い雪山がそびえている様子は、「世界の車窓から」顔負けの美しさだった。
午後3時ごろ、カシュガルの駅に到着。
ピンク色の駅ビルは妙に近代的で、「さいはての地、カシュガル」というイメージと全然そぐわず、肩透かしを食らった気分。
駅から乗り合いバスに乗って市街へ移動。
途中、観覧車がどーんとそびえ立っていた。すごい違和感で、なんだこりゃ!?ってかんじ。ともかく、メインストリート沿いの宿、天南飯店に落ち着いた。
カシュガルの街
部屋に荷物を置いて、さっそく街の探検へ。
表通りはスッキリと広く、両側には近代的なビルが立ち並んでいる。
イメージしてきた“民族の十字路”カシュガルとはまったく一致せず、「こんなところだったんだ・・」とガッカリ。
でも気を取り直し、一歩わき道に足を踏み入れてみると・・・
たったの数メートル違うだけでこんなにも違えるものなの!?という位、異次元ワールドが広がっていた。
ほこりっぽい小道の両側にはべーグル型や円盤型をしたナン(イーストを使わないズッシリしたパン)を売る露店が立ち、食堂の前ではモウモウと煙を上げながらシシカバブを焼いている。
馬車にひかれないように気をつけながら細い道をゆくと、青空マーケットに行き当たった。
古びたパラソルの下で色んなスパイスや野菜がごちゃごちゃと売られている。
まるで小箱のような、小さな手工業の工房では、おじさんに混じって少年も、木を削ったり、金物を打ち付けたりしてせっせと働いていた。
そのわきをロバ車や馬車タクシーが駆け抜けてゆき、シャンシャン、パカパカと賑やかな音が絶え間なく響いている。
見るものすべてが新鮮で、この通りを歩くだけで何日か過ごせそうだ。
不思議な地元料理
夜、宿の近くの屋台であやしい料理に出くわした。
長~い腸詰めがヘビのようにグルグルに巻かれて洗面器に入っている。
屋台のおやじさんはそれをハサミでチョキチョキ切って、おわんにいれてスープをかけてサーブしている。
見た目がグロテスクなので「うわ~」と思って眺めていたら、Sちゃんが「食べてみよう!」と言い出し、挑戦することに。
何人かの女性客が食べているところだったので、そう変なものでもないだろう・・。
実際食べてみると、ソーセージとイカ飯を足して二で割ったような“腸詰めごはん”。
唐辛子のピリ辛味で意外とあっさりしていたけど、冷たいスープに浸っていて、わけのわからない四角い「でろん」としたものも入っている。
頭の中に?マークを浮かべながら食べ終わった。温かかったらもうちょっと美味しかったかな・・。