ラブラン寺の散策がうまくいって調子づいた私は、午後からさらに20キロほど奥にある桑科(サンカー)草原へ、乗り合いワゴンバスで行ってみた。
桑科草原
桑科草原は、360°なだらかな草原とゆったりした緑の山が広がっていてすごく気持ちのいいところ。
ただ、その他には何もなくてすぐに手持ち無沙汰になってしまった。
村のメインストリートを歩いていると、食堂の前できれいなおばさんに呼び止められ、椅子をすすめられた。
白湯を出してくれて、同じテーブルにいたおじさんと暇つぶしにおしゃべり+筆談。
チベット族のこのおじさんは桑吉(サンチー)という名前で、商人をしているらしい。
これから店のおばさんと一緒にラブラン寺まで行くから君も乗せていってあげるよ、と言ってもらいお言葉に甘えることに。
夏河の街でおばさんを降ろしたあと、桑吉おじさんの家に寄る。
奥さんがいるというのでノコノコついていったが、家には誰もいない。 不安がよぎったけど、ここはこのおじさんを信じることにした。
桑吉おじさんの家
桑吉の家はびっくりするほど立派だった。
中庭を囲んで口の字型に建物が4つあり、それぞれの方向に仏間、客間、朝食用の台所、夕食用の台所(台所がふたつもあるのだ!)などが配置されていた。
母屋の中にはガラス張りの居間があり、白と青の鮮やかなチベットカーテンがめぐらせてある。
奥さんや息子の写真が飾ってあって一安心。奥さんはラサ、息子は蘭州に住んでいるらしい。
ここで人工添加物たっぷりのジュースとリンゴをごちそうになった。突然知り合った日本人を家に連れてきて、世話をやいてくてれるなんて、すごく物好きなおじさんだなぁ。
明日蘭州に戻るんだと言ったら、自分も用事があるから一緒にどう?と言われる。無駄に時間のかかるバス移動にこりごりしていたので思わずお願いしてしまった。
お坊さんカフェ
桑吉おじさんに宿まで送ってもらった後、夕飯を食べに出る。宿の向かいにあるNormad Restaurant という店に入ってみると、お坊さんだらけでびっくり。
彼らは八宝茶のようなお茶を飲みながらダベっているようだ。
グループでお経のコピーを前に何か作業している人たちや、一人静かに外を眺めている人など、大学の学食のような雰囲気だった。若いお坊さん達の息抜きの場なのかな。
私も真似して同じお茶を注文したけど、古臭い味がしてダメだった。
夜、明日蘭州まで車で連れてもらう約束をしたことを後悔しはじめた。本当にあのおじさんは大丈夫な人なんだろうか・・。