朝、外に出てみると、湖の向こうのコングル山とムスタグアタに陽があたりはじめたところだった。
山々の雪面が、まぶしくキラキラ輝いている。
Contents
標高3500m、カラクリ湖
ムスタグアタは、あくまでもどっしりと。
コングル山にはいくつかピークがあって、それぞれがこんもりと雪をかぶってソフトクリームみたいだった。
ラクダで湖一周
午前中はラクダにのってカラクリ湖を一周することに(1時間20元、約300円)。
ラクダ使いの兄ちゃんを従えて、いざ出発!
ラクダの頭は上から見るとハゲオヤジの荒れ放題の頭みたい。
コブとコブの間に座ったのだが、手前のコブは小さく横倒しになっていて、なんだか愛らしい。触ってみるとやっぱり体温で温かかった。
黄色やピンクの小花が咲き乱れる湿地を歩き、湖のほとりにあるスバシ村に到着。
ラクダ使いの兄ちゃんのお姉さんの家にお邪魔した。
お手製の羊のヨーグルトを出してくれたが、洗面器に入って台所の片隅においてあり、お腹をこわさないか心配。まずくはないんだけどな・・。
スバシ村には風車が二つあって、ウィーン、ウィーンという音が、風の谷のナウシカやラピュタを思わせる。
実際にここは風の谷という名前がぴったりくるところだった。
また湖一周コースへ戻り、先へ進む。
青空が広がり、コバルトブルーの水の色に、草原の緑色が鮮やかだ。
羊の放牧をしている少年がいたり、ラクダが数頭くつろいでいたり、ヤクの子供が遊んでいたり、独特の時間が流れている。
気がつくと3時間近くも経ち、お尻がジンジンと痛くなってきた。
大昔、ラクダで砂漠を越えた人たちも、さぞかしお尻が痛かったんだろうな~。
バスでタシュクルガンへ
一周を終えて宿にもどると、もうお昼。
実はこれから、ちょっとドキドキの一仕事が待っているのだ。
というのも、カラクリ湖から次の街であるタシュクルガンに向かうには乗り合いバスに乗らなければいけない。
でもカラクリ湖にバス停があるわけではないので、1日に1本だけ通過するバスを道路で待ち構えて、うまくつかまえないといけないのだ。
何時に通るかも定かではなく、「大体お昼ごろにくる」という話である。この1本を逃すとまた明日まで待たなければいけない。
荷物を抱え道路わきに座り、気長に待つことにする。
が、20分後、意外に早くバスが姿を現した。
バスはヨタヨタと走ってきてトイレ休憩のためか一時停車したので、無事乗り込むことができた。ホッ。
ここから先の道は工事中のところがほとんどで、砂利道が続く。
「カラコルムハイウェイ」なんて呼ばれているが、そんな立派な響きはまったく似合わない。
標高4000mの峠に向かってバスはますます苦しげに進む。
3時間半かかって、ようやく国境の街タシュクルガンに到着した。