ムスタグアタ登山隊のチャーターバスで、カシュガルから8時間かけてやってきたのは、ムスタグアタを正面に臨む草原地帯。
あたり一面緑のじゅうたんのような草原が広がり、三方を雪山に囲まれている。
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登山隊のキャンプサイト
ここが彼らのキャンプサイトになるらしい。
標高も既に3500mほどあるので、酸素不足で頭がぼーっとしてくる。
彼らがテントを立てているのを眺めていたら、ふとトイレに行きたくなった。
近くにユート(白い円形の移動式テント)があっておばあさんがいたので、駄目もとでトイレがないか聞いてみたもののあるわけはなく、外を指差された。
とはいえ、起伏のない草原には隠れるところがまったくない!
しばらく辺りを見回して考えてみたが、人気のない民家が一軒あるのみ。
こうなったらイチかバチか、民家から人が出てこないことを祈りつつ、その陰でささっとすませてしまった。
さて、登山家たちはテントに泊まるけど、私はどうしようかということになり、さっきのユートに泊めてもらうことになった。
地面にポンと建っているだけだが、中にはじゅうたんが敷き詰められ、中央にはストーブがあり、ポカポカと居心地がよい。
真上にはポッカリと天窓が開いていた。
おばあさんがバター茶のようなしょっぱいお茶と、手作りヨーグルトをすすめてくれた。
登山隊とお別れ
すっかりこのままくつろぐ気でいたのに、ジョンが呼びにきた。
出て行ってみると中国のお役人がいて、「一般の家に泊まっては駄目だ。この村の宿泊所になら泊ってもいいけど、US$25払え」と言う。
$25とは、このあたりの物価からいえばべらぼうな高さだ。街のいいホテルにだって3泊できてしまう。
いいカモにされているようで癪に障ったので、観光客に開放されているカラクリ湖半の宿泊所に戻ることにした。
ということで、登山家の彼らとはここでお別れすることに。
「ムスタグアタに登ることはマイドリームなんだ」と話してくれた彼ら。
一人一人と握手をしてまわった。どうか全員無事に登頂できますように!
カラクリ湖畔のユート
ちょうどバイクでカラクリ湖半まで送ってくれるという人がいたのでお願いして、さっき通ったばかりの道を逆戻り。
結局、もともと予定していたカラクリ湖に戻ってきた。
ここでもユートに泊ることになった。
ロケーションはとてもいいが、あくまでも旅行者が雑魚寝をするためのもので、居心地はよくない。
湖のそばで日記を書き、持ってきたパンで夕食にすると、もうすることがなくなって、薄暗いユートの中で布団を敷いた。
布団はずっしりとして砂っぽく、寝心地は良くない。
でも今日一日の疲れが出てきてぐっすり眠ることができた。