カラクリ湖からバスに乗ってタシュクルガンに到着。
街はずれには中国側のイミグレーションがあり、ここから先はパキスタンとの国境地帯となる。
タシュクルガンではバスターミナル前の功徳賓館という宿に落ち着いた。
シャワー付きで一泊約750円なり。
少数民族・タジク族
街中には一本のメインストリートと、それに交差するいくつかの舗装路があり、20分もあればぐるりと一周できてしまうような小さな街だ。
散歩していると、通りで遊んでいた男の子たちが「写真撮って!」寄ってきた。
私のカメラはフィルムだから撮った画像を見せることはできないけど、ただ撮ってもらうだけでうれしい様子。とってもかわいい笑顔だった。
街なかで目に留まるのは、このあたりに住む少数民族、タジク族の女性たち。
刺繍やビーズ飾りのついた円筒形の帽子をかぶり、その上からベールのように白い布をかけていた。
顔立ちも、目鼻立ちがはっきりしていて、ちょっとロシアっぽいような雰囲気。
ここはパキスタンにも近いけど、他の国々にもかなり近いのだと実感した。
タシュクルガンの数少ない観光スポットの一つ、民族文化館へ出かけてみた。
中国に2万5千人しかいないというタジク族の結婚や葬式の様子が、詳しく写真で説明してあった。
今では恋愛結婚が多いとか、葬式では女の人はお墓まで見送れないとか、家は天窓があるだけで側面に窓がないのが一般的だとか。
石頭城
街はずれには、石頭城という遺跡があった。
唐の時代のもので、円筒形の城壁はなかなか迫力がある。
でももっとすごいのは城跡からの眺め。
はるかパキスタン方面に向かって山脈が連なり、その山すそがきれいな弧を描いて降りてきて、いつしか平原となり、また反対側の山脈と交わっている。
緑から黄土色に変わる色のグラデーションも美しい。
手前の湿地帯には小川や池が無数にあり、太陽を反射してキラキラと光っている。
池の周りには羊や牛がいて、ポツポツと白いユートが建っている。
辺境の地タシュクルガン、ずっとあこがれていた響きだが、そこにはこんな世界が広がっていたのかと、しばらく見とれていた。