列車に乗りこんでみると、車内はほぼ満席。
またもや私は硬臥(2等寝台)。今回は3段ベッドの最上部なので、はしごをよじのぼるのが結構大変だ。
柳園→トルファン
荷物を棚に上げたりして、ホッと一息ついていると、さっき駅の待合室で一緒なったオージー旅行者、ポールがやってきた。
少しおしゃべり。
だが彼と話していると、周りからの視線をビシバシ感じる。「外人だぞ!外人だぞ!何かしゃべっているぞ!」という感じ。
さっきまで私ひとりだとそんな視線は感じなかったのに、欧米人は否応なしに目だってしまうもんなぁ。ずっとそんな視線にさらされ続けるのは結構大変そう。
彼の軟臥(1等寝台)を見に行くと、クーラーが効いていて、ベッドも分厚くてまるで別世界だった。
一瞬、次に列車に乗るときは軟臥にしようかな・・と迷いが生じたほど。
自分の車両へ戻ってくると、隣の寝台のおじさんが片言の英語で話しかけてきた。
「今の外人は誰だ?夫か?」と、やはりポールに興味深々。
頭ハゲてたな、と身振りで示されて思わず笑ってしまった。頭の様子は万国共通の笑いのネタになってしまうらしい。
このおじさんはウイグル族で、いよいよこれからウイグル文化圏へ入ってゆく私に、色々とウイグル語を教えてくれた。
携帯電話についている英中辞書を駆使していて、中国のこんな端に住んでいるのに携帯をバリバリ使いこなしていることに驚かされた。中国の10億人パワーは侮れない。
お隣の中国人大学生も会話に混ざったりして、これぞ列車の旅の醍醐味!
ほのぼのした時間を楽しむ中、列車は西へ西へと進むのであった。
トルファン到着
朝の5時半、トルファン駅着。まだ外は真っ暗。
ポールと共に改札を出ると、すぐにタクシーの客引きが集まってきた。
ここからトルファン市街までは車で1時間の距離。一人10元(150円)だというので、真っ先に私たちに声をかけてきたた運転手さんを選んだ。
けっこう若いこの運転手は、日本語がとても上手。
市街までの1時間中ずーっと、トルファン周辺の観光をこのタクシーでしないかと誘ってくる。
私は今日の午後、日本からやってくる友達と合流する予定なので、その子と話し合ってからどうするか決めるつもりだと話しておいた。
そう!今日から10日間、大学時代の親友Sちゃんと一緒に旅をするのだ。1年ぶりに会う友達。すごく楽しみ。
トルファン大飯店のドミトリーにチェックインし、昼過ぎまでグーグー寝る。
目が覚めて、街の散策に出かけた。
画一的でいかにも漢人の街だった敦煌とは打って変わり、中央アジアの雰囲気が漂う街並み。
ピンクや黄色のパステルカラーをしたイスラム風の建物が目に付く。
道行く人も、目鼻立ちのはっきりしたウイグル族が多い。いよいよ西域に入ってきたなぁと実感する。
ブドウの名産地だけあって、ブドウ棚が遊歩道の上に延々と続く道もある。
灼熱の太陽がブドウの蔦にさえぎられて、心地よい日陰をつくっていた。