シルクロード旅日記 ⑩莫高窟千仏洞で大感動

敦煌2日目。 いよいよ旅の前半ハイライト、莫高窟へ。

宿のツアーに申し込んでいたので、マイクロバスに乗り込みどんどん郊外へ向かう。

しかし、実は朝起きたときから頭がガンガン。昨日調子にのって飲みすぎたせいだ・・。

莫高窟

昔からいつかぜったい訪れたいと夢見てきた莫高窟を目前にして、私ってなんてバカ。

同行のドミトリー仲間にも、知り合ったばかりなのに二日酔いだなんて恥ずかしくて言えず、つらいのを我慢して、さりげなくさりげなく振舞う。こんなところまで来て、一体何をしているんだ私。

ともかく、目的地に到着。

みやげ物屋の並ぶ駐車場を抜けると、うす茶色の崖が立ちはだかり、そこには縦にも横にも、無数の扉がとりつけられていた。

これがかの有名な莫高窟千仏洞か~。

P1780527 莫高窟” by punster Huang is licensed under CC BY-SA 2.0

日本語案内グループの人数が集まるのを待っているうちに、少しずつ頭痛もマシになってきた。

さて、いよいよガイドさんに引率されて、石窟めぐりへ出発!

20160509_China_6167 Dunhuang sRGB” by Dan Lundberg is licensed under CC BY-SA 2.0

まず最初に入った第16、17窟(それぞれの石窟に番号がついている)ですでに感動。

薄暗い小部屋の中、四方八方にびっしりと描かれている壁画に圧倒された。この石窟は特に、大量の経典が隠されていたことで有名。小説や映画の「敦煌」の、まさに現場なのだ。

千年ぐらい前に、誰かが実際にここへせっせと経典を運び込んで、見つからないように壁を閉じて隠したなんて、歴史のロマンを感じるなぁ。

20160508_China_6126 Dunhuang sRGB” by Dan Lundberg is licensed under CC BY-SA 2.0

それからも、古いのは隋よりも前の北周時代、隋、唐、宋と色んな時代の石窟を見て回った。

無骨な感じやユーモラスな感じ、繊細な感じと、仏画にもそれぞれの時代の特徴があって、飽きることがない。

249窟は鮮やかなブルーと茶色で、人物や動物が生き生きと動いていて、躍動感がすごい。

Asura in 249th cave of Mogao Caves

ひんやりした石窟の中で、千年以上も前から続く空気をぞんぶんに味わった。

フンパツして特別窟へ

全部で9ヶ所ほど見て回ったところで、別料金を払って入る特別窟へ。

たったの1ヶ所入るだけで150元(2300円)もする。これはこの頃の中国の物価からすると1万5千円分ぐらいの価値のある料金なので、ちょっとひるんだけど、ここまで来たらケチっている場合じゃない。

唐時代の第57窟へ入る。ほとんど真っ暗のなか、懐中電灯の灯りに照らされて、とっても美しい菩薩さまが現れた。

色白で、女性的なすごく優しい顔。頭や胸を飾る金や緑のアクセサリー(?)が、少し立体的に盛り上がっていて、本当に宝石でできているように見える。

Mural Avolokitesvara

ガイドさんによると、平山郁夫さんはこの菩薩画を「敦煌の恋人」と呼んでいたそう。

もっともっと、出来ることなら1日でもこもって、隅々まで眺めていたいほど美しい石窟だった。

これで石窟めぐりは終了。 マイクロバスに乗り込んで、充実の半日を終えたのだった。

宿に帰ってから寝直したことは言うまでもない。

皆で囲む鍋はおいしい!

この日の夕飯は、ドミトリーのメンバー5人で鍋を食べに行くことに。

3人は私と同年代で、皆仕事をやめて旅に出てきたらしい。しかも皆中国留学経験者。

もうひとりは60歳すぎのおじさん。定年退職してすぐに、アジアからヨーロッパまでの陸路の旅に出てきたらしい。

こうやって若者(?)と同じ、一泊300円のドミトリーに泊まって旅をしているんだからすごい。私も60過ぎたときに、まだそれぐらいのパワーを持っていたいものだ。

Night Market (23344679113)” by Laika ac is licensed under CC BY-SA 2.0

注文した鍋は、鶏肉や野菜を特製の辛いタレにつけて食べるものだった。皆一人旅なので、日ごろは麺やチャーハンや肉まんなど、簡単な食事になりがち。今日は大喜びで栄養補給をした。

ここで、中国留学をしていた人たち面白い話を聞いた。

中国の地方ではあまりに方言がすごいので、中国人同士でも出身地によっては、お互いに言葉が理解できないことがよくあるらしい。

だから日本語しかしゃべれない私でも、ちょっと早口の日本語で堂々と話しかけてみれば、相手は「きっとこの人はかなりの田舎からやってきた中国人なんだな」と思うはずだと。

さすが中国、懐が広い!

この話のおかげで、自分のヘタッピな中国語でもどんどんしゃべってみようと勇気が湧いてきた。

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