【エジプト】2023年末旅行⑭ルクソール西岸一日観光(後編)~ハトシェプスト女王葬祭殿~

さて、一日観光の最後はハトシェプスト女王葬祭殿です。でもその前に、タクシー運転手のトラップに少々引っかかってしまいました。

アラバスターの土産物屋のトラップ

王家の谷でカーチャーターの車に乗り込んだところ、運ちゃんがこんなことを言い出しました。

「僕の妻がアラバスターの店で働いているんだ。会わせたいからお店に行ってみないかい?」

まぁいいですよ、ということで、西岸の幹線道路沿いにあるアラバスター(大理石の一種)の土産物屋に連れていかれました。

店の外で5人ほどの男性スタッフがのんびりくつろいでいたのですが、私たちを見るやいなやシャキッとして、歌を歌いながらアラバスター製品作りのデモンストレーションを始めました。太鼓のリズムに合わせた歌はリズミカルでなかなか良かったです。

で、そのあと店の中に案内され、「何か飲み物はどうですか?無料で何でもいいですよ。コーラはどう?」と。

暑い王家の谷の観光後だったので、正直言うと冷たいコーラが飲みたかった。でも、これはまさしく「タダほど高いものはない」の典型的な例でしょう(汗)

飲み物は断り、とりあえず店の商品を見て回りました。いろんな種類の石像や壺などがありましたが、夫が気に入った小さいスカラベの値段を聞いてみると、なんとUS$50!

黒くてアラバスターでもなさそうだし、そんな価値のあるものには見えません。それでも夫は「記念だし、ちょっとぐらい高くても」と欲しそうでしたが、他にお客のいない広~い店。5人の店員。相場を知らない私たち・・圧倒的不利な状況で、いい買い物が出来そうな気がしませんでした。

結局何も買わずに店の外にでて、「ガソリンを入れにいくから」と消えてしまったチャーターカーをひたすら待ちました。

運ちゃんの奥さんなんてどこにもいないし、これは完全に運ちゃんの手に引っかかってしまいました。ここで買い物していれば運ちゃんにリベートが入ったのでしょうが、お互いに得のない無駄な時間を過ごしてしまいました。

それにしてもこのお店、商売の方法をもうちょっと変えたらいいのになぁ。

US$50なんて明らかに高すぎる金額でなく、一つ$10ぐらいなら、ちょっと割高かなと思いつつも旅の記念に買う気にもなるし、私たちみたいな家族連れなら「1人ひとつづつ」ってなことになって、トータルでそこそこ儲かることになるかもしれないのに。

店の中に所せましと置いてあったお土産物が、誰かに買われる日は来るのでしょうか・・・。

ハトシェプスト女王葬祭殿

前置きがかなり長くなってしまいましたが、気をとりなおして、本日最後のスポットはハトシェプスト女王の葬祭殿です。

チケット売り場を過ぎると、3層構造の葬祭殿が遠~くに現れました。

この辺りは、女王の葬祭殿だけでなく、別のファラオの葬祭殿やお墓があったり、あちこちに遺跡らしきものが見えました。

周囲のゴツゴツした岩山と、シャープな形の葬祭殿のコントラストがすごい!

この時ちょうど正午ぐらい。かなりの人出でした。

至聖所

まずは正面のスロープをどんどん上がり、3階の一番奥にあるアメン神の至聖所へ。

天井には一面の星空。

残念ながら周囲の壁画は保存状態が悪かったですが、それでも残っている色彩はすごくきれい!

この生き生きとした鳥たちにはとても心惹かれました。

太陽神祭儀の礼拝堂

次に3階の向かって右側にある礼拝堂へ。

すぐ裏の崖がすごい迫力!

この辺りは太陽神をあがめる神殿だったようです。

3階のオシリス柱

ハトシェプスト女王のお顔をしているという、オシリス神の柱。お決まりのポーズでパチリ。

ハトホル女神の礼拝所

3階を見たあとは、なだらかなスロープを2階に降りました。ナイル川やルクソールの街の方向が一望できて壮大な眺め!

2階の左手にあるハトホル女神の礼拝所へ。

こじんまりとした屋外エリアですが、牛の耳を持つハトホル女神の柱がきれいに残っていました。

美しい牛。カウベルのような、ハトホルの首飾りがかわいい。

ハトシェプスト女王の葬祭殿の壁画は、ラムセス2世や3世など男性ファラオの荒々しく、主張の激しい壁画と違い、優しい雰囲気が漂っている気がしました。

帰り道、気になった石造りの床。この床はいつからあるんだろう。

この時点で午後1時。まだ昼過ぎとはいえ、暑い中観光した疲れが出てきました。それに素晴らしい遺跡の数々を短時間で見て、もうこれ以上は脳が処理できそうにありません。

宿に送り届けてもらってルクソール西岸観光を終えました。

ルクソール西岸観光の感想

ルクソール西岸では、この一日観光で3カ所(職人の墓、王家の谷、ハトシェプスト葬祭殿)、前日にはラメセス3世の葬祭殿を見ました。

どこも本当に素晴らしかったですが、特に印象に残ったのは観光客の少ないスポット(職人の墓、王家の谷の特別墓、ラメセス3世葬祭殿)でした。ほぼ自分たちだけで静かに遺跡に向き合うと、より神秘的な雰囲気を感じることができたように思います。

西岸はまさに遺跡の宝庫で、見たい場所だらけ。だからと言って、一日朝から晩までスケジュールギッシリで遺跡を見て回るのは不可能だと感じました。だってどこも素晴らしすぎて受けるインパクトが強く、体力気力が持たないのです。

1日1カ所ずつ見られたら、それぞれの遺跡のすばらしさをじっくり堪能できるのになぁ。いつかそんな贅沢な観光がしてみたいものです!

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