しばらくご無沙汰していましたが、またエジプト旅行記を再開します！
ルクソール到着の翌日は、タクシーをチャーターして西岸観光をしました。見どころ目白押しで遺跡のすばらしさに圧倒された一日でした。
タクシーで出発
この日は大みそか。
観光シーズン真っ只中でどこも混むから朝早く出発した方がいいということで、7時半にタクシーに迎えに来てもらいました。タクシーは宿のオーナーが手配してくれたのですが5人乗れる上にリーズナブルな料金でした。
タクシーの運ちゃんはローカルのおじさん。もともと英語の先生だったとかで、英語でのコミュニケーションもスムーズにいきました。
今日は王家の谷、職人の墓（デイル・エル・メディナ）とハトシェプスト女王の葬祭殿を見たい、と言うと、「王家の谷は今の時間混んでいるから、職人の墓へ先に行く方がいいよ」ということで、職人の墓⇒王家の谷⇒ハトシェプストという順番で回ることに。
まずはメノムンの巨像近くの共通チケット売り場へ。
マイナー観光スポットのチケットはここで一括販売していますが、最近値上がりが激しい模様。（料金表はクリックで拡大します）
そういえばメノムンの巨像は結局素通りしてしまいました。そんなに巨大でもない気がしたし、まぁいいか。
職人の墓
車で15分ほどでデイラ・エル・メディナに到着。
まず目に入るのは、その昔、王族の墓を作った職人たちが住んでいた集落の跡。思っていたよりもしっかりと残っていてびっくり。
職人たちは王様たちの墓づくりの秘密を洩らさないように、本来、人間が住む場所ではない西岸のこの場所で隔離されて暮らしていました。
でも報酬や住居などの待遇はなかなか良く、この集落は500年間もの間住み継がれていたそうです。
当時の生活の再現模型がありましたが、今でも住めそうな立派なおうちでした。
センヌジェムの墓
さて、いよいよ職人の墓へ！
まず一つ目はセンヌジェムの墓。セティ1世やラメセス2世時代の職人だそうです。
中には狭い部屋が一つだけですが、壁画の細やかさ、色の鮮やかさにびっくり！
ミイラ造りに使われているライオンの寝台が美しい。
死後の世界の農耕の様子。
足元から天井まで、ユニークな絵がびっしりと描かれていて見ごたえたっぷりのお墓でした。
ちなみに各墓の前では墓守のおじさんが待ち構えていて、中を案内してくれました。
家族写真を撮ってくれたりとサービスしてくれますが、当然最後にはチップを渡すことになるので、少額紙幣は必須です。
私は安物の（高見えする）ペンをチップ代わりに渡しましたが「1本じゃ足りない、2本くれ」と言われ、それなら素直に1ドル渡した方が安かったなぁと思いました（笑）
アメンナクト、ネベンマアトとカエムテリの墓
お次は父と息子の墓。ラメセス2世時代のものです。
墓守は「父と子と孫の3つの墓が集合している」と説明してくれましたが、「父と二人の息子の墓」という説もあるらしいです。どちらにせよ仲のよい家族だったのかな。
入口は一つで、地下へ降りると、父の部屋、子の部屋、というように通路でつながったいくつもの小部屋に分かれていました。それぞれの部屋で絵の雰囲気が違い、おもしろかったです。
インヘルカの墓
最後はインヘルカの墓。ラメセス3世～4世時代の方だそう。
まず前室があったのですが、そこの天井がと～っても美しい！
カーペットのような感じの連続した花模様で埋め尽くされていました。地味だけど美しい色合いで、時代は全然違いますが、敦煌の莫高窟を思い出しました。
このお墓は動物たちが生き生きと描かれていました。
堂々としていて格好いいライオン！
あっ、ウサギ！と思ったけれど、尻尾が長くてウサギじゃなかったです。
神様の化身のネコが、聖なる木の下で悪いヘビを退治する様子だそう。
盲目の人が、墓の主に竪琴を奏でる様子。
3カ所とも甲乙つけがたい、素晴らしいお墓でした。
職人の墓の感想
この日回る3カ所のスポットのうち職人の墓は一番マイナーですが、なかなかどうして、とっても印象に残った遺跡でした。
というのも、朝一番で行ったおかげか他に観光客がほとんどおらず、お墓の中を家族だけでじっくり見て回ることができたのです。まずここに行くといいよと言ったタクシーの運転手さんのおかげです。
お墓の中の壁画も、動物や生活シーンなど身近なものが多くて、大人も子供も楽しんで見られました。
美しい壁画にぐるりと囲まれた狭いお墓は、まるで3000年前のタイムカプセルのよう。昔の空気がそのまま伝わってくる気がしました。
ルクソールはみどころだらけですが、観光客が押し寄せない穴場スポットという意味でとってもおススメです！
