【エベレスト街道】ゴーキョ&チュクントレッキング⑩ Day8 ナムチェ~クムジュン

いよいよナムチェを出発!とはいえ、今日はナムチェの裏山を上がったところにあるクムジュン村まで。高度順応の第2弾として、標高3780mのクムジュンに1泊する予定です。

コースタイム

2025年12月14日

ナムチェ出発 9:10am -クムジュン到着 2:20pm (3440m→3780m, 6.1㎞)

  • ナムチェ➝キャンズマ 2 h
  • 昼休憩 1 h
  • キャンズマ➝クムジュン 50 min

ナムチェ~キャンズマ

クムジュンまではシャンボチェの丘へ急登を行くのが速いのですが、私たちは遠回りのキャンズマ経由のルートを選びました。というのもこの道は「世界一美しいトラバース道」と呼ばれているのです!

ナムチェの街の上部から東方向へ。道も平らでアップダウンも少なく、角を曲がるごとに新しい景色が現れます。

景色が良いのは進行方向ばかりではありません。

振り返ると、遥か下に白いドゥードコシの流れがあり、ジョーサレの集落や吊り橋も見えました。そしてさらに遠くの山腹には、5日前に泊まったタマダンダのロッジの建物がピカピカ光っているのが見えました。あんなに遠くから山越え谷越え、よくここまで歩いてきたもんだ!

絶景のトラバース道でなんといっても魅力的なのがアマダブラム(6814m)。ゆったりと構えた姿がとても優美です。

エベレストに初登頂したシェルパ、テンジン・ノルゲイの記念チョルテン。

途中からはエベレストも姿を現しました。

目移りするほどの山々に囲まれながら歩き、2時間弱でキャンズマに到着。

28年前にも出ていた土産物の屋台がまだありました。

チャキチャキとした女将さんが仕切るアマダブラムロッジで早めの昼食。ここでサブローが注文したフライドヌードルがとてもおいしくて、この後何カ所かでフライドヌードルを注文しては「アマダブラムロッジのが一番おいしかった」と言っていました。

ロッジの壁には女将さんがダライ・ラマやチャールズ王と撮った写真が飾ってあり、かなりやり手の人物のよう。お会計をしたらりんごを1個お土産にくれました。

キャンズマ~クムジュン

昼食後はクムジュンへと向かいました。

キャンズマからすぐ先にサナサの小さな集落があり、ゴーキョ、エベレストベースキャンプとクムジュンの3方向に分かれる分岐点にでました。

クムジュンへはナムチェへ戻るような向きで坂を上っていきました。ナムチェで2泊して高度順応できたと思っていたのに上り坂は全然楽になりません。40分ほど歩いてようやく村の端に着きました。

クムジュンではGoogle Mapで評判のよい宿を目指しており、道端で水くみをしていたおじさんに場所を尋ねると、「そのロッジのオーナーは冬だからカトマンズに行ってしまったよ」と。12月のこの時期、半分以上の宿が冬季休業していました。

ガッカリしながらも次の候補のロッジは開いてますか?と聞くと「開いてるよ。ついてきて!」と。実はこのおじさんのロッジでした。でも外で水くみしてたってことは水道はないのかな・・。

クムジュンのヒルトップロッジ

おじさんのヒルトップロッジは村の一番上部にあり、眺めは最高!

部屋はベーシック、水道は凍結中でくみ置きのタンクからチョロチョロ出せる程度だったけど、まぁオッケー。人懐っこい笑顔のロッジのオーナー(=おじさん)の人柄がとてもよかったのです。

手作り感いっぱいの明るいサンルームでお茶をと思ったら「ウェルカムドリンクだよ」と言って、好きなドリンクをサービスしてくれました。

奥さんはカトマンズに孫の世話に行っており、冬の間ひとりで宿を守っているらしい。昔はエベレストやチョーオユーにも登ったけれど、今はシーズン中に6000m台の山のクライミングガイドをしているのだそう。

左上の白とグレーの建物がヒルトップロッジ

クムジュン村ではどの家の屋根も緑一色で、カラフルなナムチェとは一味違いました。民家の間にはじゃがいも畑が広がっており、村人の生活がそこかしこで感じられました。

カンテガ(6783m)、タムセルク(6618m)もよく見えて、時間があればこの村で数日ゆっくりするのも良さそうだなと思いました。

クムジュンゴンパ

サンルームでのお茶のあとは、クムジュンのゴンパとヒラリースクールへ見学に行くことにしました。

ゴンパの横では冷たい外の水道で洗濯する女性たち。ゴンパは壁の装飾も鮮やかで立派。大きなマニ車もありました。でもお堂のドアには鍵がかかっていて、楽しみにしていたイエティの頭の皮は見られませんでした。28年前にも見逃したのでとっても残念!

ヒラリースクール

次の目的地、ヒラリースクールへは村を縦断。

村の中にはまっすぐな道がなく、畑の中の道は迷路のよう。村人に道を訊きながら目的地にたどり着きました。

ヒラリースクールというのは、エベレストに初登頂したエドモンド・ヒラリーが作った学校のこと。小学校は村々にあるけれど、ハイスクールがあるのはこの辺りではクムジュンだけなので、親元を離れて寮に入って通う学生もたくさんいるそうです。

ヒラリー自らが建設に関わった古い校舎がビジターセンターになっており、見学しました。

中には、生徒の作品、卒業生の活躍、クムジュンの生活などの展示があり、ヒラリーの経歴やクムジュンに学校を建てることになったいきさつなども紹介されていました。

クムジュンでの学校建設の背景は、ナムチェの博物館での情報も加えるとこんな感じ。

エベレストに登頂後有名になったヒラリーが、クムジュンのイエティの頭皮をネパール国外に持ち出すイエティ頭皮ツアーを企画したときに、「頭皮を借りるお礼として何が欲しいか」とクムジュンの村民に尋ねたところ、村人全員が「学校を作ってほしい」と希望した。それでクーンブ地方初となる学校がクムジュンに作られることになった。

なるほど、それで場所がクムジュンだったのか、と納得。

また、こんな話もありました。

ヒラリーはクムジュンに学校を建てた後も、家族総出でこの地方に学校や病院、空港などを作る援助をしていた。でもある時、ファプル空港の支援に出向くところだった奥さんと娘さんの乗った飛行機が墜落し、二人とも亡くなってしまうという悲劇が起こった。

「ヒラリーはもうネパールと関わるのをやめてしまうかもしれない」周囲はそう考えたが、彼はその後も変わらず、晩年までずっとこの地方への支援を続けた。

エベレスト初登頂の偉業を成し遂げたヒラリーが、その名声だけにこだわらず、大きな悲しみさえ乗り越えてずっとネパールへの支援を続けたという事実にとても感動しました。

ビジターセンター、訪ねられてよかったです。この時は冬の夕方で学校は閑散としていましたが、生徒がいるときに訪れるともっと楽しそうです。

クムジュンの夜

ヒラリースクールを出るともう日が陰って、猛烈に寒くなってきました。

ロッジにもどるとオーナーがすぐにストーブをつけてくれました。

夕食はオーナーおすすめのスイスロスティ(ポテトのお好み焼きみたいなもの)。ボリュームたっぷりでおいしかったです。

夕食後に家族4人でトランプをしていると、オーナーがウノを持ってきて、はにかみ顔で「ウノやりたい?」と。「もちろん!」と一緒に遊ぶことになりました。

あっという間に楽しい雰囲気になり、ポカポカのストーブの横で何ラウンドも遊んで夜の時間が過ぎていきました。

クムジュンはトレッキングルートから外れていますが、景色もローカル感も楽しめる素敵な場所でした。自画自賛ではありますが、ゴーキョ方面へ行くときはナムチェを出た日にモンラやポルツェタンガに泊まることが多い中、クムジュン泊はなかなか良い案だと思いました。

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