シルクロード旅日記 ㉚ゴジャール地方の小さな村、グルミット

グルミットは、パスー氷河やカテドラルピークに囲まれた、風光明媚な村。

一日、周囲をのんびり散策することにした。

Gulmit hunza best” by Baqhusbti is licensed under CC BY-SA 3.0

グルミット

午前中、同じ宿のカナダ人カップルに誘われて、村祭りを見に行く。

でも、英語で You are the honorable guest(あなたは名誉あるゲストです)の垂れ幕があるというのに、「これは宗教イベントだから外国人は入っちゃダメ」と断られてしまった。

カナダ人が納得いかずに交渉していると、祭りのオープニングバンドがやってきた。

びっくりなことに、バグパイプとドラムのバンドだった。おそろいの赤と青のタータンチェックのユニフォーム。

「宗教イベント」って言っていたのに、イギリスの影響がすごく残っているんだな~と不思議な気がした。

昼間には、宿でバケツシャワーを浴びてすっきり。

川の流れる音、鳥の声、太陽の光が降り注ぎ、グルミットはとっても平和な村。

Gulmit – A view of Passu Cones” by Aamir Fawad is licensed under CC BY-SA 4.0

ローカルガイドその1

夕方、村を散歩。

国際電話をかけに電話局へ行ったり、商店で買い物したり。

商店で話しかけてきた人がいて、「これからグルミットの民家を案内してあげよう」というのでついていくことに。

30ぐらいの男性で、名前はイサ。村唯一の銀行に勤めているらしい。

小さい村だけあって、通りですれ違う人全員が知り合い。「また観光客を拾って!」とでも言われているんだろう。途中で甥っ子もついてきた。

おうちは小さくて薄暗いけど、万華鏡のような形の木組み細工の天窓が印象的。

この辺りで話されている「ワヒ語」を色々とおしえてくれた。

イサのお母さんは50過ぎだというのに、しわがたくさんあってもっとお年のようにみえた。お母さんのきれいな刺繍の円形帽が、タシュクルガンとつながっていることを感じさせてくれた。

ローカルガイドその2

次の日、午前中はまたグルミットの村や氷河への道を散策。

村が見下ろせる場所まで歩いていると、アズハルとかいう17歳の男の子に話かけられた。

Pasu Peaks” by Taseer Beyg is licensed under CC BY-SA 4.0

カーペット工場へ連れていってあげるよ、というのでついていく。

工場はとても薄暗い建物。

中では女性が、カーペットの土台の縦糸に、毛を1本ずつ巻き付けては切るという作業をしていた。根気がいる大変な仕事だ。

それから宿に戻りかけるが、この17歳はとても不愉快な質問をしてくる。

「そんな話したくないから!」と怒る私。

しばらくして「さっきは悪かったよ・・」と謝ってきた。まったく!

しかも、宿の手前で「ガイド代を・・・」と言ってきた。誰が払うもんか!!

カリマバードへ

宿をチェックアウトし、今回の旅でとても楽しみにしているカリマバードへと向かうことに。

カリマバードは、桃源郷フンザ地方の中心部としてとっても有名な場所。

カラコルムハイウェイ沿いの商店の前でバスを待つが、1時間たってもやってこない。

Passu Cones – Gulmit” by Waseem Abbas is licensed under CC BY-SA 4.0

商店のおじさんが見かねて、やってきたワゴン車を止めて、私をカリマバードまで乗せて行ってくれるように頼んでくれた。

ワゴンに乗り込んでホッとしたのもつかの間、運転手がまたスケベオヤジだった!

「君も結婚していて僕も結婚してるから、こんな話でもいいだろ?」と嫌な話をしかけてくる。

私が怒ると、しばらくして「さっきは悪かったよ・・・」と謝ってきた。

(オイオイ、さっきの17歳とやっていること一緒だよ!!)

スケベオヤジとバトルしながらも、車窓から見えるのは、豪快な岩肌が迫るダイナミックな風景。

Amazing Hunza Valley and Hunza River” by Obaid Ahmed is licensed under CC BY-SA 4.0

カリマバードに近づくと、谷の斜面いっぱいに畑、民家、ポプラの木々が広がっていた。

立体的でドラマチックな地形に、目にも鮮やかな緑の村々。

こんな景色見たことがない! 想像を超えた桃源郷が、そこには広がっていた。

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