シルクロード旅日記 ㉘いざクンジュラブ峠・・の前にひと騒動

昨日の夜はやっぱりバスのことが心配でなかなかぐっすり眠れなかった。

朝、宿泊している交通賓館の人にバスが出るか尋ねると、出るという答え。ホッとした。

今日は曇り空で、絶景の峠越えにはイマイチの天気。

だけど、そんなこと言ってられない。なにしろ中国ビザが今日で切れるんだから。

バスターミナルにて

宿の人の話では10時にバスターミナル(宿のすぐ横)に行けば、バスに乗ることができる。そのバスで中国側の出国手続きをするカスタムへ連れて行ってもらえるということだった。

余裕をもって20分前にバスターミナルへ行ってみる。

Tashkurgan Bus Station distance and prices” by Anthony Maw is licensed under CC SA-3.0

係員に「I want to go to Pakistan」と言ってみると、返事はなぜか「No!」。

え~!?今日はバスがある日でしょ?

この期に及んでそんなこと言われても困る!

窓口の中には見覚えのあるおじさんが。昨日来たときに「明日はパキスタン行きのバスが出る」と言っていた人だ!

最後の頼みの綱~、とばかりに必死で合図を送ると気づいてくれて、「Go to Custom!」と言われた。

宿の人の話と全然違うけど、とにかくカスタムにいくしかない。

ザックを背負って約1キロの道を必死で歩いた。

イミグレーションでてんやわんや

何とかカスタムに到着。が、門はガッチリと閉まり、人気がない。

え~!?なんで?今日が土曜日だから?

無駄とは知りながら門をガチャガチャやってみると、運良く建物の中にいた人が気づいてくれて、「隣へ行け」と身振りで教えてくれた。

隣の「口岸」と漢字で書かれたビルが、どうやらイミグレーションらしかった。

ビルに入ってみると、なるほどパスポートチェック用やバスのチケット販売の窓口がいくつかある。でも中は無人。

ただ、一人だけ、大荷物のパキスタン人が同じバスを待っていて一安心。

ふぅ。それにしても大変なパキスタン行きだ。

バス登場。チケット売切れ。

しばらくすると、バスがやってきた。

すでにたくさんの乗客がいて、ここでチェックを受けるために荷物がどんどん降ろされていく。

2007 08 21 China Xinjiang Karakoram Highway Tashkurgan” by Anthony Maw is licensed under CC SA-3.0

私も列に並んで念入りなパスポートチェックを受け、出国スタンプをもらった。

そのあとバスのチケット窓口に行ってみると、私と一緒にバスを待っていたパキスタン人のアリ氏が、「チケットはもう売切れたってさ。」と横から教えてくれた。

え~~~~!?

そんなはずがあってたまるものかと、チケット窓口のおじさん(朝、バスターミナルでGo to Custom!と教えてくれた人)をつまかえてアピール。

と、「分かった、分かった・・仕方ないなぁ」という感じで、最後に一コマだけ残っていた乗客リストに私の名前を書き入れてくれた。

アリ氏よ、私だけチケット手に入れてしまってごめん。

でも今日どうしても中国を出国しなくちゃいけないんだ。チケット窓口のおじさんが話の分かる人で本当によかった。

や~っと心配事がなくなって、ビルの外へ出る。

2007 08 20 China Xinjiang Karakoram Highway Kashgar to Tashkurgan” by Anthony Maw is licensed under CC SA-3.0

パキスタン行きの人たちの荷物の多いこと、多いこと。

しかも荷物料金でもめているのか、全然作業がはかどらず、やっとバスが出発したのは12時45分。

イミグレに3時間近くもいたのだった。

いよいよ出発

バスに乗り込むとすかさず窓側の席をゲット!これで景色が楽しめるぞ~。

・・・と思っていたら、最後に乗り込んできた乗客が「オレの席がない!」と言い出した。

「イミグレに来るまでは全員ちゃんと座れていたのに、どうして席がなくなったんだ!!」と。

あれ?それってもしかして、私のせいかも・・・。

さっきチケット窓口で、乗客リストの一番最後になんとか名前を書いてもらった。それはつまり、すでに満席だったバスに無理やり乗せてもらったってことかもしれない。

もちろん「私のせいであなたの席がなくなったんですよ」なんて自己申告はせず、できるだけ目立たないように身を縮めてた。

彼はあきらめて床に腰を下ろしてくれた。あ~よかった。

まぁ女性は私だけだったので、「コイツのせいだ」って周りの人は絶対分かっていたはずだけど・・・。

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